こんにちは。本記事ではグラキリスの育て方について解説します。
基本的には現地球も実生も管理の仕方は同じなので、この記事を読んでぜひグラキリスの育成に役立てていただけると嬉しいです。
ただ、発芽後間もない小さい株に関しては育て方が若干異なるので、その点についても解説させていただきます。
ではお願いします。
初めに
本記事では主に夏の育成方法を解説させていただきます。
そのため、冬の管理についてはこちらの記事でかなり詳しく解説しているので読んでみてください。

グラキリスをまん丸にする方法
前提として、本記事ではまん丸の株にすることを目的とした育成方法を書いていきます。
そのため、まず私が考えている丸く育てる方法について簡単に書かせていただきます。
グラキリスを丸く育てたいのであれば、縦への成長を押さえつつ、横への成長を促進させる必要があります。
横の成長について
まず、横への成長を促進することは難しいと考えています。
私の育成の経験、様々な雑誌、そして多くの生産者の方にもお話を伺いましたが、基本的にグラキリスがいわゆる良形になるかどうかは親株が非常に関係していると考えています。

私が育てているグラキリスは基本的に同じ育て方をしていますが、太り方は全然違います。
管理方法が同じである以上、形に差が出るのは遺伝の要素が大きいと考えられます。
一方で、同じ親株から取れた種は似た形になっています。

この2つの株の親株は同じです。少し実験のために切ったりしていますが、太り方が似ていることがわかると思います。
以上の理由から育て方によって劇的に太らせることは難しいと考えています。
縦の成長について
もっとも、縦の成長を押さえることは育て方を工夫することで十分に可能であると考えています。

この株は1年目は縦への成長を押さえ、2年目は特に何も意識せずに育てた株です。
とげの感覚を見ていただけると分かりますが、育て方によってかなり徒長しています。
縦へ成長すると、ひょろっとした株になるだけでなく、横に太るための栄養も奪われてしまうと考えられます。


一方でこちらの株は縦への成長を押さえた株です。購入時はかなりひょろっとしていましたが、今では順調に太っています。
そのため、グラキリスの育成方針としては、縦への成長をなるべく抑えるということを意識すべきです。
また、このことは現地球でも同じです。
現地球は実生と比べてサイズが大きいため、太っているかというのが分かりにくいですが同じであると考えています。

かなり分かりにくいですが、現地球であっても枝の部分を見ると徒長することが分かります。
そしてこの年は全然太りませんでした。
以上のことから、縦への成長を押さえる育て方は現地球でも実生でも有効であるといえます。
育成方法
日光について
とにかく強く
日光について私から詳しく解説することはあまりありません。
とにかくグラキリスがダメージを受けない範囲でできるだけ強い日光に当てるだけです。
ご自宅の環境にもよりますが、基本的にどんな育成ライトを使っても太陽光には勝てないと考えています。
日光が少なければ当然徒長します。
できれば日当たりが良い屋外で育てましょう。
ただ、ご自宅の環境によっては日照不足等の理由から外で日光に当てるのが難しい場合があります。

その場合には、ライトと鉢の距離をできるだけ近づけ、強い光を当てましょう。

この株は日光を減らして、水やりを増やして育ててみました。
やはり、締まった株を作るには強い日光は必要不可欠であると思います。
葉焼けに注意
もっとも、葉焼けには注意しましょう。
油断していると1日で枯れてしまうこともあります。
そのため、真夏であれば遮光したり、西日が当たらない位置に置くなどの工夫をしましょう。

特に現地球は葉焼けしやすいです。焼けてしまうと色が変わってしまったり、その部分だけ膨らまなくなってしまいます。
休日などの時間があるときに植物を置いている場所の日の当たり方を確認して、あまりにも暑かったり、株がダメージを受けそう(葉っぱが弱っている、焼けているなど)だったら、遮光や置き場所を見直しましょう。

日本の真夏の気温はグラキリスにとっても厳しいものです。
ご自宅の環境に合わせて遮光しましょう。
風について
グラキリスを太らせるために必要な要素としてよく挙げられるのは、日光、風、水やりです。
ただ、私はグラキリスを太らせることと風の関係はよく分かっておりません(対照実験ができていません)。
そのため、無責任に風が重要ですとはいえませんが、腐ることを防止するために風は必要であると考えています。
基本的に外で育てていれば風は十分であると思いますし、室内であってもサーキュレーターを当てていれば問題ないでしょう。
水やりについて
個人的には水やりがグラキリスを丸く育てるうえで一番重要だと思います。
とはいえやることはいたってシンプルです。
へこんだら水をやる、です。


これはかなり極端な写真ですが、現地球、実生を問わず多くのグラキリスは水不足になると株がへこんだり、触ると少し柔らかくなります。
そうなったときにはじめて水をやるようにしましょう。
まれにへこんだり、柔らかくならない株もありますが、株の様子を注意深く観察して水切れのサインを見逃さないようにしましょう。

このグラキリスはへこんだり、柔らかくなったりしませんが、ひび割れの幅が変化しています。
もし、株の変化がなかなか見られない場合は、他のグラキリスや塊根植物への水やりの頻度を参考にしながら少なめで育てていきましょう。
とにかくグラキリスの水やりは我慢が大切です。かわいい株だと水をたくさんあげたくなりますが、心を鬼にして育てましょう。
土について
土はどのくらいの頻度で水やりができるかにもよりますが、できるだけ水はけのよい土を使うようにしましょう。
上で書いた通り、土が水分を吸っている時間をなるべく減らしたいので、粒が大きめの土にしましょう。
もし詳しく土について知りたい方は、よろしければこちらの記事をご確認ください。


肥料について
グラキリスを丸くするためには肥料は使うべきでないと話されている方もいらっしゃいますが、個人的には使った方がいいと考えています。
実際に育てていても、肥料を使った方が明らかに成長が早いです。
そして、水やりに気を付けていれば徒長することもありません。
そのため、徒長を怖がらずに積極的に肥料は使ってよいと思います。
私は、土にマグァンプKを混ぜて、1週間に1回微粉ハイポネックスとリキダスをあげています。
発芽後間もない株
もっとも、発芽してすぐの株は少し育て方を変える必要があります。
日光について
特に発芽直後の株は直射日光に当てると簡単に葉焼けしたり、とけてしまったりします。
発芽して数か月経過していれば直射日光に当てても問題ないですが、少なくとも発芽して1か月間は日陰や、遮光した場所で育てましょう。

風について
発芽させた環境にもよりますが、高湿度で管理していた場合には風通しの良い場所に置くようにしましょう。
発芽後には湿度は不要ですので、腐らせないためにも早めに移動させましょう。
水やりについて
発芽して1か月たっていない株に関しては、腰水を行いましょう。
上で書いた通り、できるだけ水はやりたくありませんが、発芽後すぐの株だと水切れで枯れるリスクの方が全然高いです。
また、そもそも1年目の株は腰水を継続して行うメリットも十分にあると考えています。
もし興味がありましたらこちらの記事も読んでみてください。

まとめ
グラキリスを丸く育てるには、強い光に当て、水やりの頻度をできるだけ減らしましょう。
そして、肥料はしっかり使って成長を促進します。
グラキリスはどんな形でも魅力的です。
ですが、もし自分の目指す形があるならぜひこの記事を参考にしていただけると嬉しいです。

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