こんにちは。本記事では塊根植物、アガベ、サボテンの土の作り方について少し詳しめに解説させていただきます。
もし塊根植物やアガベ、サボテンの土について初心者である方はよろしければ先にこちらの記事を読んでいただくと理解しやすいと思います。

ではお願いします。
塊根植物、アガベ、サボテンの特性と土の関係
おさらいですが、塊根植物、アガベ、サボテンは非常に水不足に強いです。これらの植物はマダガスカル、アフリカ、メキシコといった降水量が少なく気温が高い場所に自生しています。
そのため自生地の環境のように、水が少なく、湿度が低い、かつ気温が高い環境を作ることを意識するべきであり、こうしないとすぐに腐ってしまいます。

したがって、まず、前提として自生地の環境に近づけるため、ある程度の高い気温と、光量を確保する必要があります。
そして土は湿度が高い状態が継続するのを防ぐために、なるべく乾くのが早い土を使う必要があります。
そのため、まずはこれらの植物に適した土について説明していきます。
土の配合
基本の配合
本記事では、自分で土を配合する方に向けて詳しく解説させていただきます。
もちろん市販のサボテン用の土を使う方もいらっしゃると思うので、そういった方はこの章は読み飛ばしてください。
初心者向けの記事でも書かせていただきましたが、基本的には赤玉土、軽石、鹿沼土が準備できればOKです。
割合としては3:1:1程度が良いでしょう。特に根腐れが心配な方は、軽石の割合を増やしたり、パーライトを混ぜるとよいと思います。
そして自分で配合するほどこだわるのであれば、できるだけ粒が固いものを選ぶとよいでしょう。特に赤玉土は割合のうちの多くを占めるため、三本線といわれる粒が潰れにくいものを使用することをおすすめします。
粒が潰れにくいと、長い間、鉢の中で水が通りやすい状態が続きます。また土が水を含む量が減ることに繋がります。もし、土づくりにもこだわるのであれば配合の割合だけでなく、それぞれの土の品質にもこだわってみてはいかがでしょうか。

左から赤玉土、軽石、鹿沼土です。

パーライトは粒の大きさは赤玉土の小粒、極小粒くらいで発泡スチロールみたいな感じです。
これを混ぜると水はけがよくなります。
ただ、軽石に比べると、粒が潰れたり、緑色になったりすることもあるので、基本的には軽石を増やす方向で考えることがおすすめです。
追加を混ぜてもよいもの
以下では、土に混ぜても混ぜなくてもよいものについて解説します。
くん炭
上記の他に良く配合されるものといえばくん炭でしょう。
メリットとしては、くん炭が多孔質構造であるため、根腐れ防止や、酸素を供給しやすいことから根の成長を促進するといわれています。
また、殺菌性があるため、鉢内の環境を守ることができます。
一方でデメリットとしては、まずくん炭自体が軽すぎるということが挙げられます。
私もくん炭を混ぜた土を使ったことがありましたが、鉢を水に浸したりすると、くん炭が上に浮いてきたりしました。また、表面にくん炭がある場合、風に吹かれると飛んで行ったりしました。

水に浸けると、くん炭、鹿沼土、パーライトは浮いてしまいます。
他にも、塊根植物やサボテンに適した土のphは弱酸性から中性といわれてますが、くん炭を入れるとアルカリ性に傾いてしまいます。もちろん量を減らせば問題ないとは思いますが、量を減らすとくん炭を入れるメリットも小さくなるため、私は今は使っていません。
ゼオライト
ゼオライトのメリットとしては、保肥力があるため肥料の量を少なくしたり、肥料を入れる回数を減らすことができます。
また、水分をある程度保持するものの、不要な水分は排出するため、根腐れ防止などに役立つといわれています。
一方でデメリットとしては、価格がやや高いことやアルカリ性であることが挙げられます。
ココファイバー(ココピート)、バーク堆肥
ココファイバー(ココピート)、バーク堆肥のメリットとしては、保水性、保肥性が高いことが挙げられます。
デメリットは、そもそも個人的にはこれらのメリットはそもそも塊根植物等のために必要ないという点だと思います。
生産者の方が水やりの手間を減らすために用いるのであれば分かりますが、趣味で育てていて、水やりも楽しいと感じる方には不要だと思います。

いろいろ書きましたが、自分なりに好みの配分を考えるのが土づくりの醍醐味だと思います。なので細かいことは気にせず、気になったものを混ぜてみましょう!
肥料など
マグァンプK
土に混ぜる肥料についてはマグァンプKを使用しましょう。正直成分に踏み込んだ詳しいことは解説できませんが、塊根植物を育てている人の多くが使用しており、私自身も使用しており体感ではありますが、マグァンプKを混ぜ込んでいない自身の株と比べて早く大きく成長している気がします。
ただ、基本的に塊根植物は栄養が少ない環境でも成長する植物です。マグァンプKのような肥料を使わなくても問題なく成長しますし、人によっては肥料を使わないほうが形が良くなるとおっしゃっている方もいます。
早く大きく育てたいというよりも、じっくり育てたいという方は使用する必要はないでしょう。

こんな感じで使いやすい容器に移し替えておくと便利です。
ペットボトルなどに移しても良いと思います。
オルトラン
もう1つ混ぜるべきものは、オルトランです(肥料といえるかは分かりませんが)。
オルトランは、塊根植物やアガベを育てている方の多くが使っている殺虫剤です。

匂いは少しありますがすぐに消えますし、効果も長持ちし、塊根植物やアガベ、サボテンに発生しやすい多くの虫に対して有効です。
少量を土に混ぜたり、においが気になる方は少し土を敷いてからオルトランを入れて、その上からさらに土を入れていきましょう。
みじん抜き
土を配合した後は、ふるいにかけてみじんを取り除きましょう。

また、植物を植えた後にも、みじん抜きを忘れないようにしましょう。

みじん抜きは植物を植え替える上で大切な過程ですので、みじん抜きについて詳しく知りたい、そもそもみじん抜きとはなんぞやという方はこちらの記事をご覧ください。

化粧砂
最後に解説するのが化粧砂です。マルチングともいわれています。

化粧砂には植物をきれいに見せることもちろん、水やりの時に土が動きにくくなったり、植物がぐらつくことを防ぐ効果があります。
見た目も良くなり、育成する上でもメリットがあるため、ぜひ使ってみてください。
以下では、化粧砂の種類について解説します。
富士砂
化粧砂と聞いて多くの人が想像するのが、富士砂だと思います。

化粧砂を使う上で、基本的に富士砂があれば十分だと思います。
土が黒いと、植物の緑色が映えるし、表面の土の汚れが目立たなかったりします。
また、塊根植物やアガベ、サボテンを植える鉢であれば大体が黒い鉢になるため、鉢との相性もばっちりです。
富士砂は重いため、上から水をかけても土が乱れにくくなったりもします。
軽石、寒水砂
軽石や寒水砂も化粧砂として使えば非常にきれいです。特に軽石であれば新しく化粧砂を購入する必要はないし、通気性も非常に良いため、育成の観点からもメリットがあります。


富士砂に比べると軽いため、雑に水やりすると若干土は乱れますが、それほど気になるものでもありませんし、植物や鉢によっては富士砂よりもきれいに見えると思います。

もっとも、個人的には白は難易度が高い印象です。鉢や植物とも相談して使ってみてください。
その他
この他にも、金や赤など様々な色の化粧砂があります。

私はたくさんの植物に使ってはいませんが、アクセントとしていくつかの植物に使っています。

まとめ
塊根植物は乾燥した環境を好みます。
そのため、多肉植物用の土か、赤玉土、鹿沼土、軽石を3:1:1くらいの割合で配合した土を用意し、しっかりとみじんをふるいます(好みに合わせて色々混ぜても良いです)。
肥料はマグァンプKとオルトランを混ぜましょう。
あとは好みの色の化粧砂を敷いて、上からたっぷりの水をかけ、みじんを抜いたら完成です。

土づくりの配分は植物を育てる上での醍醐味の1つであるといえます。
ぜひご自身の好みの配分を見つけ、さらに植物育成を楽しんでいきましょう!
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