【冬越し】パキポディウムグラキリスの冬の育成方法について解説

 こんにちは。本記事ではパキポディウムグラキリスの冬越しの管理方法について解説させていただきます。
 グラキリスは夏型の塊根植物であるため、春から秋にかけての管理は簡単ですが、冬には成長が止まり、水をほとんど吸わなくなるため、非常に根腐れのリスクが高まります。
 そのため、グラキリスを育てていく中で、最も管理が難しい時期が冬であるといえます。
 本記事では私が実際に行って今のところ1株も枯らしていない冬越しの方法について解説させていただきます。
 ではよろしくお願いします。

目次

室内に入れる時期

 本記事では室内に植物を入れることを前提としています。育てている株の大きさにもよりますが、グラキリスは高価な株であるし、室内での観賞価値も高いと思うので、できれば室内に入れてあげるようにしましょう。
 また、屋外にハウスなどがあればそのままハウスに入れておけばよいと思いますが、私自身、屋外にハウスを持っていたりするわけではないので、寒さに弱い植物については、冬の時期には室内に入れて管理しています。
 室内に入れる時期については葉っぱを落とすか否かによって変わるので、下ではこの点について書かせていただきます。

実生1年目の株

 実生1年目の株については、葉っぱは落とさないことをおすすめします。小さい株だと冬に葉っぱを落として休眠させると、そのまま春になっても起きてこないということも多いようです。
 そのため、1日の最低気温が15℃を下回る日が続くと葉っぱの色が黄色になり、その後葉っぱが枯れていくという感じになるため、夜間に15℃を下回る日が続くようになったら、室内にしまうことをおすすめします。
 ただ、実生1年目の株であっても大きい株に関しては、葉っぱを落とすことをおすすめします。理由は下に書かせていただきますが、葉っぱを落とさない株の目安は写真を見ていただけると幸いです。

 矢印を打ったグラキリスについては、葉っぱを落とさずに冬越ししました。実生1年目の株と発根管理を始めてから半年経過していない株です。

現地球(発根管理してから半年たっていない株)

 発根管理をしてから半年たっていない株については、もし怖い場合には、葉っぱは落とさなくても良いと思います。
 ただ、下にも書きますが、葉っぱは落としたほうが春からの成長は早くなるので、この辺りは個人の好みでよいと思います。

 矢印を打ったグラキリスは発根してから間もない株であったため、落葉させずに冬越しをしました。今思えば、全然落葉させても問題なかったと思います。

現地球(実生2年目以降)

 現地球(実生2年目以降)については、葉っぱを全て落としてから室内にしまうことをおすすめします。メリットとしては、管理が簡単になること、春からの成長がスムーズになることが挙げられます。

管理が簡単になる

 葉っぱを落とすことのメリットの1つは、管理が簡単になるということです。
 まず、冬越しを成功させるためには室内にしまうことが必要ですが、葉っぱを落とす前に室内にしまうと葉っぱが床に落ちるおそれがあります。
 室内にしまえば、大体10℃を切らないくらいまでは葉っぱはそれほど落ちませんが、それでも多少の葉っぱは落ちます。そのため、掃除が大変になったり、最悪の場合虫の発生や病気を引き起こす要因となってしまいます。
 このことから、葉っぱを外で管理している間に全部落としてしまえば、室内に葉っぱが落ちるおそれもないため、管理が楽になります。

 これらの株の葉っぱが全部落ちるとなると、100枚以上の葉っぱになります。もしこれが室内に落ちるとなると、けっこうめんどくさいです。

春からの成長がスムーズ

 葉っぱを落とすことのメリットの2つ目は、春からの成長がスムーズになるということです。
 これはグラキリスに限った話ではないですが、去年までの葉っぱが残っていると新しい葉っぱが出てくるのがかなり遅くなる印象があります。そして、新しい葉っぱが出てくると、去年までの葉っぱはだいたい落ちることになるため、結局葉っぱを残しても成長に良い影響を与えることは特にないと思います。
 正直、科学的なメカニズムは分かりませんが、冬にしっかり休眠させたほうが、成長が始まるタイミングは早くなります。

 写真のグラキリスは早めに室内に入れてしまったため、葉っぱが落ちず、春からの葉っぱの展開が他のグラキリスに比べて非常に遅くなってしまいました。

 葉っぱが落とせる株に関しては、落としきるほうがメリットが多いため、全部葉っぱを落としきってから室内にしまいましょう。

水やりのタイミング

 冬の管理で最も頭を悩ませるのは、水やりのタイミングです。ここで多くの塊根植物が根腐れを起こしてしまいます。
 基本的に、水やりに関しては、葉っぱを落としても落とさなくても管理方法は同じで問題ないです。
 ここでは、株の状態で分けて、2つの方法について解説させていただきます。

株がへこむ場合

 基本的にグラキリスは現地球でも実生でも、水が足りなくなるとへこむ株が多いです。具体的には、塊根部をつまんでみると少し柔らかくなっている株であれば、水をあげるべきです。
 このとき、株が柔らかくなっていると腐っているのか、水切れなのかと悩むこともあると思います。
 この点、塊根植物が腐る原因の9割以上が水のやりすぎ(水切れが悪い)ということだと思います。そのため、冬の期間は、できるだけ水をやるタイミングを減らすように心がけ、塊根部がへこむのを確認してから水を上げるというサイクルを作ることを心がけましょう。

 つまり、冬の管理を始めると決めたら、株がへこむまでは水やりは絶対にしないで、塊根部がへこんできたタイミングで水をあげるようにしましょう。そうすると次の日にはしっかり水を吸って株が膨らんでくれるため、その後も自信を持って冬場の管理ができると思います。
 水やりの量に関しては、鉢から水が流れないくらいで大丈夫です。かなりちょっとの水でもしっかり吸ってくれるため、あまりあげすぎないようにしましょう。

 グラキリスは分かりやすくへこむ株が多いので、水やりのタイミングはそれほど難しくありません。
 しっかりへこませてから水やりをしましょう。

株がへこまない場合

 多くのグラキリスは現地球であっても実生株であっても、水が足りなくなると塊根部がへこんでくる株が多いです。ただ、株によってはへこまないものもあり、私も1株だけですが持っているので、その株の管理方法について書かせていただいただきます。
 株の大きさにもよりますが、最低気温が15℃を下回る日が続くようになったら、2週間に1回くらいの頻度にし、1番寒い時期には1か月に1回程度の水やりで十分だと思います。
 大きい株を持たれている方の中には冬はほぼ断水される方もいらっしゃるようです。細かい根を枯らさないためにも、多少は水をあげたほうが良い気もしますが、そのくらい水やりはしなくてもいいようです。
 水の量は鉢底から出ないくらい少なくていいです。

 私が育てているグラキリスで唯一へこまない株です。この株は冬は大体3週間に1回くらい水をあげています。

まとめ

 グラキリスは、実生1年目の株、発根管理を始めてから半年たっていない株であれば葉っぱを落とさずに、現地球や実生2年目以降の株であれば葉っぱを落として管理します。1年目であっても大きい株であれば、葉っぱを落として春からの成長に備えましょう。
 水やりのタイミングについては、基本的に株の状態を確認して、へこんできていたら、鉢の底から水が出ないくらいの少量の水をあげるようにしましょう。

 グラキリスの冬越しは、とにかく水やりを我慢できるかがカギとなります。来年からも可愛がれるようにするために、焦らずに管理するようにしましょう。

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