こんにちは。本記事ではグラキリスの発根管理について解説させていただきます。
なお、本記事と同様の手順でアデニアなどの夏型の塊根植物の発根管理も行っており、今のところ私が発根管理を行った株はグラキリス含め100%発根しています。
かなり再現性も高く、真似しやすい方法だと思うので、ぜひ読んでみてください。
ではお願いします。
選び方
株の見た目
前提として、 特にグラキリスであれば、以下で紹介する方法をとればまず発根すると考えてしまってよいと思います。
そのため、最優先すべきは、その株が自分の好みかどうかです。
特に初めての発根管理をするときはつい発根しやすそうかという点を重視してしまいます。
しかし、発根しそうかどうかということを気にしすぎてあまり好みでない株を買ってしまっては本末転倒です。

この株は株に穴が開いていたり、塊根部が日焼けしていたり、とても軽いものでしたが、無事に発根しました。
株の重さ
発根のしやすさというのは、いろいろネットなどでは選び方について書かれていますが、発根しやすい株かどうかは基本的には重さで判断するべきです。
株が重いということは、植物がしっかり水をため込んでいるということですので、長期間発根管理を継続できます。
特に大きい株は、発根するまでに半年以上かかることもあるため、水分をため込んでいる株を選びましょう。


買ったときは株はパンパンに水をためていましたが、8か月ほどすると株がべっこりへこんでしまいました。
この株は無事に発根しましたが、ものによっては干からびてしまうこともあるため、しっかり重みのある株を選びましょう。
株の硬さ
次に見るべき部分は、株の硬さです。
ただ、個人的には、大きい株であれば硬さを重視すべきですが、小さい株は柔らかくてもよい場合があると考えています。
柔らかくてもよい場合とは、株が緑っぽく、株が弾力を持っている場合です。

大きい株であれば、大体の株は白または茶色っぽくなっている株が多く、弾力もありません。
一方で、小さい株であれば緑っぽく、触ると弾力がある株があります。こういった株は発根まで早い印象があります。
小さめの株を選ぶときはぜひ参考にしてみてください。
準備するもの
現地球
根っこが切られて輸入された株は現地球、ベアルート株と呼ばれています。
自分のお気に入りの株を準備しましょう。

カッター、ライター(消毒用)
後で詳しく解説しますが、根っこの処理をするときに使います。
清潔なカッターを使う必要があるため、ライターや消毒液、なければウエットティッシュで除菌してから作業しましょう。

オキシベロン(お財布と相談)
発根を促進するための薬品です。
ただ、使う量は少ないにもかかわらず、値段は高めです。
複数個の現地球を発根管理するつもりがあれば、購入してもよいと思いますが、1、2個くらいだけ発根管理するつもりであれば無理に買わなくてもよいと思います。

もちろん、成分的に発根率を上げることは確実なので、少しでも発根確率を上げたいのであれば購入するのも全然ありだと思います。
ルートン、ベンレート(家にあれば)
ルートンとベンレートは家にあればでよいです。
ただ、この二つは発根管理以外にも使い道が多いため、これを機会に買ってしまうのもおすすめです。

2つを1:1で混ぜて使います。
筆みたいなものがあれば塗りやすく便利です。
ペットボトル(ボウル)
現地球をオキシベロンに浸けておくための容器が必要です。
現地球を浸けられるならなんでもいいですが、一応薬品ですし、多少匂いもするものなので使い捨てられるペットボトルを使うのがおすすめです。

ペットボトルの大きさを合わせれば、根っこの断面が当たらないようにオキシベロンに浸けられます。
鉢、土
本記事で紹介する方法は現地球を土に植えこんで発根させる方法です。
根っこがない現地球は鉢の中の水分を吸い上げることができないため、土が乾くのがかなり遅くなります。
そのため鉢は、現地球が腐らないようにするためにとにかくよく乾くものにしましょう。

発根した後に好きな鉢に植えればよいので、まずは水がよく抜ける素焼き鉢やさつき鉢を使いましょう。
土については、普段お使いの塊根植物用の土があればそれを使ってください。
土について1から知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。

また、できれば目の細かい赤玉土などを用意できると根っこの断面に負担なく管理できるため、余裕があればご準備ください。
テープ(ひもなど)
現地球を鉢に植えてから固定しておくためのテープやひもが必要です。
固定できればなんでもよいので、家にある適当なものを準備してください。

こんな感じで固定します。
発根管理
現地球を洗う
まずは、現地球についている硫黄を洗い流します。
なお、購入したお店によってはすでに洗われている場合には、この手順は省略してください。


1枚目がグラキリスで、2枚目がアデニアペリエリです。
硫黄は海外から現地球を輸入する際の防疫のために塗られるようです。
根っこを切る
現地球を洗い終わったら、いよいよ根っこを切っていきます。
この時、用意したカッターをライターであぶるなどして殺菌することを忘れないでください。
現地球を見ていただければ分かりますが、買ったままの根っこの断面を見ると枯れてるっぽい感じになっていると思います。
そのため、きれいな断面が出てくるまで切っていきます。

左側の根っこが未処理で、右側は新鮮な断面が出てくるまでカットしました。
どうしても植えたい鉢があれば、それに植えられるくらい切ってしまって大丈夫です。
ただ、特にこだわりがなければ発根しなかった場合にもう一度根っこを切る作業をできるようにしておくために、きれいな断面がでてきたらその時点で切るのはやめておきましょう。
オキシベロンに浸ける
根っこを切れたらオキシベロンに浸けていきます。
オキシベロンは50倍に希釈して、18~24時間浸けこみ、風通しの良い場所で保管しましょう。

できればカットした根っこの断面が底に当たらないように浸けておけるとベストです。
現地球を乾かす(時間があれば)
オキシベロンにつけてから18~24時間経ったら、風通しの良い場所で乾かしていきます。

オキシベロンから取り出してすぐに植えると株が湿ったまま植えることになってしまうため、腐りやすくなるといわれています。
ただ、冷静に考えるとそんなことを言っていたらこれから1度も水やりができなくなってしまいます。
そのため、土と鉢を準備している間にオキシベロンから出して乾かしておけば十分でしょう。
ルートン、ベンレートを塗る
正直この手順は行わなくてもよいです。
行う場合には、ルートンとベンレートを混ぜて、株の下の方に薄く塗ります。


私の発根管理では、植えこんだ後すぐに水をやるため、すぐに流れてしまいます。
現地球を植えこみ、固定する
次は、現地球を植える土と鉢を用意していきます。
基本的には通常の塊根植物の植え替えと同じように植えていただければよいですが、1つ注意するべき点は根っこの断面を下に向けることです。
自分が植えたい角度じゃなかったとしても、まずは発根させることが優先なので根っこは下に向けてあげましょう。

こう植えたくても

まずは発根率を少しでも上げるために、根っこを第一に考えて管理しましょう。
その後は株がぐらつかないように固定していきます。

方法は何でもよいのでとにかく株が動かないように固定しましょう。
また、管理を続けているとひもが緩んできたり、どうしても株がずれたりしてしまうため、気づいた時には適宜直しましょう。
葉っぱを切る
現地球から葉っぱが生えている場合、どんどん蒸散し株の水分がすごいスピードで減っていきます。
そのため発根が確認できるまでは生えてくる葉っぱは切ってしまいましょう。

根っこが生えていない状態で生えてくる葉っぱは形が変だったり、色が薄かったりします。
残していてもあまりうまく機能しないので切ってしまいましょう。
以上で作業はとりあえず完了です!
その後の管理
鉢に植え込みまで出来たら、直射日光が当たらない暖かい場所で保管します。
すぐに直射日光に当てると葉焼けして目立つ跡が残ったり、株がへこんだりしてしまいます。慌てずにのんびり管理しましょう。

水やりは植えこんですぐに行って問題ないです。
その後は土が乾ききってからあげれば十分です。
ご自宅の環境や気温、土や鉢の状態によっても異なるため一概にはいえませんが、とりあえず1週間おきにやってみるとよいと思います。
また、竹串を鉢にさして土がまだ濡れているかを確認するのもおすすめです。
ただ、水についてもそんなに神経質にならなくても大丈夫だと思います。
暇なときには霧吹きを株本体にかけましょう。
発根管理は塊根植物を育てるうえで大きな魅力の1つです。
ぜひ本記事を参考にして、発根管理を成功させてください!

コメント