【初心者必見】パキポディウムグラキリス実生の播種(種まき)から発芽までを解説

 こんにちは。本記事ではパキポディウムグラキリスの播種の仕方から発芽後の管理について解説していきます。
 パキポディウムグラキリスは塊根植物の中でも最人気種であり、多くの方がグラキリスの形に魅了されて塊根植物の世界に入ったと思います。もちろん私もその内の一人です。

 私はアデニウムとグラキリスの形に惹かれ、塊根植物の育成を始めました。初めて実生を始めたのはアデニウムオベスムでしたが、ほぼ同時期にグラキリスの実生も始めました。
 そのため初心者ならではの失敗や、ある程度経験を積んだ今だからこそ気づけた良かった点、悪かった点等もあわせて解説していければと思います。
 ではよろしくお願いします。

目次

パキポディウムグラキリスの種まき

1:気温

 グラキリスを播種する時期は4~5月くらいがおすすめです。グラキリスの種は20度を超えていれば問題なく発芽するため、4~5月に播種すべきでしょう。
  また、これくらいの時期に播種、発芽させるとグラキリスの成長期である夏にしっかりと成長させることができるので4~5月から播種しましょう。
 なお、体感値ではありますが、25度を超えているくらいが1番発芽に適した気温であると考えているため、急いでいないのであれば、5月以降に播種すると良いと思います。

2:種の入手方法

 グラキリスを播種するためには、まずは種を手に入れる必要があります。この時どのような方法で種を入手するか迷われると思いますが、グラキリスの種に関しては基本的にはどのサイトやアプリなどで購入しても問題ないと考えています。

 塊根植物は種類によっては1粒で数千円にもなるような高価なものもあります。そのような種を購入する場合にはなるべく信用できるショップから購入すべきです。
 ただし、グラキリスの種は10粒で2000円程度と高すぎるという訳ではないので、どのサイトやアプリで購入しても大丈夫であると考えています。

 もし心配でしたらSEEDSTOCKさんやプラントブラザーズさんといった有名なショップから購入するべきですが、個人的にはメルカリなどのアプリで個人の販売者の方から購入することもおすすめです。

 実生のグラキリスの形は、遺伝が大きく影響していると言われています。
 そして、メルカリなどで種を探すと親株の写真も一緒に掲載されていることが多くあります。そのため、好みの形をした親株から採れた種を購入できると、その後育つ実生株も自分の好みの形に成長する可能性が高いでしょう。

 私は初めてだったのでSEEDSTOCKさんで購入しました。10粒で2000円という値段でした。
 ただ、正直成長した株の形はあまり好みの形ではないため、もし次に買うならメルカリで探そうと考えています。

3:土を準備する

 種が入手出来たら次は種を植えるための土を準備します。グラキリスを播種するうえで適している土は「多肉植物」の土です。グラキリスのような塊根植物は水はけがよく、すぐ乾く土を好みます。そのため近所のホームセンターや園芸店で売られている多肉植物用の土を使えば問題ないです。
 ちなみに、発芽自体には土の種類は関係ないので基本的には湿度の高い状態かつ適度な温度が保たれていれば問題なく発芽します。
 ただ、結局どのような方法をとったとしても最終的には土に植えることになるのでこの段階で土を準備してしまうほうが楽だと思います。

 なお、土も自分で配合したいといった方であれば小粒の赤玉土、小粒の鹿沼土、小粒の軽石をそれぞれ3:1:1くらいの割合で配合するのが個人的にはおすすめです。
 ただ、鹿沼土を入れると腰水を続けた時に緑色になってきてしまうため、見栄えを気にする方は入れないほうが良いと思います(もし本当に見栄えを気にするのであれば多少ではありますが軽石でも緑色になる場合がありますので軽石すらも避けてしまうのも良いと思います)。

 土について詳しく知りたいという方は、よろしければこちらの記事をご覧ください。
 ただ、多肉植物用の土を使うと決めている方に対しては、特に新しいことは書いてないので、本記事を読み進めていただいて大丈夫です。

4:種をメネデールに24時間漬ける

 メネデールとはいわゆる活力剤であり、種をまく前に栄養を吸わせることで発芽を促します。
 もっとも、この工程は正直やらなくても良いとは思います。様々なサイトで塊根植物の播種の方法が解説されており、よくこの作業を行うことが推奨されていますが、もし家にメネデールがあればやる程度で良いです。
 特にグラキリスの場合では種10粒で2000円前後で入手できるため、わざわざ500円や1000円を払って新しくメネデールを買ってくる必要もないと思います。
 もっとも種に水を吸わせる工程は行うべきであるため、その場合には水道水に24時間種を浸けてください。
 ただ、これからの育成でメネデールを使いたいと考えている方であればこれを機に購入するのも全然ありだと思います。私自身もこのタイミングでメネデールを購入し、今でも植え替えをした時などに使っています。

 もし初めて購入するなら、はじめに私も購入した1番小さいものでよいと思います。ただ、上にも書きましたがグラキリスを発芽させるうえでは必須ではないので、これからもいくつか植物を育てようと考えている方が気が向いたら買うくらいでよいと思います。

5:種をまく、腰水

 ここまでの準備ができたらいよいよ実際に種をまいていきます。
 とはいっても準備した土に水を吸わせた種を乗せるだけなので難しい作業ではありません。またこの時、土の中に種を埋める必要はありません。
 ただ、湿度を高く保つ必要があるので腰水という方法を取ります。

 これはケラリアピグマエアという植物の種ですが、このような感じで種を植えた鉢をずっと水に浸けるという方法で水切れを防ぎ、湿度を保ちます。
 また、湿度を保つために鉢の上をラップで覆ってしまうという方法もありますが、種にカビが生えるおそれがあるため個人的にはおすすめしません。
 私が播種した時には、湿度を保つために濡らした新聞紙をかぶせていましたが、粒にカビが生えてしまいました。気づくのが遅くなるとカビが侵食して播種した種全部がカビてしまうおそれもあるため、特にラップで覆うなどの処置を行う必要はないでしょう。

 もし、カビの発生をできるだけ防ぎたい方はベンレートを用いると良いと思います。パキポディウム属の種は割とカビやすく、カビに気づくのが遅れると全滅するおそれもあります。種の値段やカビの発生率から考えると、これを機にベンレートを購入するのもありだと思います。
 もしベンレートを使用するなら、1回目の腰水をするときにベンレートを溶かした水を使ってください。
 ベンレートは0.5gごとに個包装になっているため保存しやすく、割と使う機会もあります。
 それほど高い価格でもないので気になったら購入してみても良いと思います。

パキポディウムグラキリスの発芽後の管理

1:発芽

 ここまでの作業ができればあとは発芽を待つだけです。
 早ければ播種から24時間程度で発芽する種もあります。遅い種だと播種から1週間以上かかることもあるので気長にのんびり待ちましょう。
 ただ、上でも書きましたが種にカビが生えることがあるので、1日に1回はカビが生えていないかを観察してください。もしカビが生えていたらその種を取り除き、周辺の土も処分してください。
 特にグラキリスの種はかなりカビやすいので、時間があるときにはこまめに観察するようにしましょう。

 播種から3日ほどで3粒/11粒が発芽し、最終的には5粒/11粒が発芽しました。ここまでいろいろ書いてきましたが、発芽するかしないかは種の鮮度によっても大きく変わるので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。

2:発芽後の管理

腰水

 発芽した後であっても腰水を続けることをおすすめします。発芽後のグラキリスはすぐに水切れを起こしてしまうため、1か月程度は腰水を続けましょう。
 また成長を早めるために個人的にはできるだけ長く腰水を続けることをおすすめしますが、株の調子が悪くなったら、1か月経過していなくても腰水はやめてしまって大丈夫です(具体的には葉っぱの色が悪くなるなど)。

 なお、発芽後の腰水をやめる時期についてはこちらの記事で詳しく解説しています。腰水のメリットデメリットを知りたい方はよろしければご覧ください。

日当たり

 発芽後1週間程度は明るい日陰で育て、そのあとは直射日光に当ててしまって大丈夫です。

 ただできれば直射日光に当てはじめるのは、休日などの株をこまめに観察できるタイミングが好ましいです。もし直射日光で葉っぱがダメージを受けてしまった場合にはもう一度日陰に戻し、徐々に直射日光に当てていきましょう。
 日光に当てればあてるほど元気に大きく成長してくれるので、できるだけ日当たりの良い場所で育てましょう。

まとめ

 パキポディウムグラキリスは春ごろに種をまき始めます。種は植える前に24時間水を吸わせ、多肉植物用の土などの上にのせ、腰水で管理します。
 発芽後は1週間程度は明るい日陰で管理し、その後は直射日光に当てて育てます。
 パキポディウムグラキリスの種は塊根植物の中では比較的で手に入りやすく、発芽してしまえば、実生の育成はさほど難しいものではありません。

 ぜひ種を手に入れて実生に挑戦してみましょう!

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