こんにちは。本記事では、サボテンの接ぎ木の方法を解説します。
サボテンの接ぎ木には、成長を早めたり、調子を崩した株を助けたり、花を早く咲かせることができるなどといったメリットがたくさんあります。
また接ぎ木については好みが分かれるところですが、個人的には気に入ったサボテンを自分好みに育成できる非常に楽しい作業であると考えています。
ぜひ皆さんにも本記事を通じて、接ぎ木の方法を知ってもらい、サボテンの魅力をより一層感じていただきたいと考えています。
ではよろしくお願いします。
接ぎ木について
接ぎ木とは
初めに接ぎ木について簡単に解説させていただきます。
接ぎ木とは一言でいうと、穂木と台木を合体させる方法です。

穂木とは、台木の上に付けて早く成長させたいサボテンのことです。
一般的には観賞価値があるようなサボテンが穂木に用いられます。
台木とは、穂木の成長のために栄養を送るサボテンのことです。
一般的には、竜神木、袖ケ浦、杢キリンなどが用いられます。
なお、三角柱もよく台木として用いられていますが、数年でダメになってしまうものが多いため、あまりおすすめしません。
成長が早まる原理
接ぎ木をすることで条件にもよりますが、普通に育てるよりも下手したら10倍以上の速度で成長することもあります。
この理由は、台木の葉緑体によって生み出されたエネルギーが穂木の成長に使われるからです。

この株を見ていただくと、穂木の部分には緑の部分がほとんどありません。
そのため、穂木だけで育てた場合、葉緑体が非常に少ない状態で成長せざるを得ません。
したがって、成長速度もゆっくりになります。
しかし、この株は接ぎ木をしているため、下の台木の葉緑体が生み出したエネルギーを穂木が利用することができます。
そのため、非常に速い速度で成長することができるのです。
必要なもの
穂木
まず、成長させたい穂木を用意しましょう。

今回はこの株から出ている子株を接ぎ木していきます。
初めて接ぎ木に挑戦するという方は、少し大きめの子株を選ぶとやりやすいです。

もちろん子株でなくとも、こういった成長させたいサボテンを使っても当然大丈夫です。
台木
台木は、竜神木か袖ケ浦がおすすめです。


比較的様々な大きさの接ぎ木に用いることができるし、入手も比較的簡単です。
他の台木と比べても丈夫で育てやすく、長持ちします。
カッター、ライター
穂木や台木をカットするときに使います。

切れ味が良いものを用意しましょう。
ライターは殺菌のために使います。
包帯
穂木と台木をくっつけるときに使います。

他にも、ゴム紐やたこ糸、テープなどを用いる方もいらっしゃいますが、私がいろいろ試した結果、包帯が一番やりやすいと感じました。
あらかじめ適当な大きさに切っておくと楽です。
軍手
穂木にとげがある場合には、軍手があると便利です。

やり方
0:台木に水をやっておく
接ぎ木作業をする前々日くらいには水をしっかりやっておきましょう。
台木が水をしっかり吸ってないと、切り口がしぼんでしまって接ぎ木がうまくいきません。

水やりを忘れると、このように切り口がしぼんでしまって穂木と台木がうまく密着しません。
また、接ぎ木が成功するまで待っている期間は、基本的に水をやらない方が良いです。

ものによってはこのように水をあげると、切り口の中心が盛り上がってくる株もあります。
接ぎ木が成功していない段階で切り口が盛り上がると、穂木と台木の接着面が動いてしまいます。
接ぎ木作業をしてから10日間くらいは水やりを控えましょう。
なお、接ぎ木作業が成功していれば、断面が盛り上がっても何の問題もありません。
また、接ぎ木をする日はなるべく晴れている日にしましょう。
1:カッターを殺菌する
作業の初めにライターなどで炙って、カッターを清潔にしておきましょう。
2:台木をカットする
初めに台木をカットしていきます。
まず、できるだけ水平に台木をカットしていきます。

次に、台木のふちをカットしていきます。

切り口から水分が抜けていくと、切り口の中心部がへこみます。
そうなると、穂木と台木が密着できなくなり、接ぎ木が失敗してしまいます。
そのため、中心部がへこむことを見越してあらかじめ外側をカットしておきます。
3:穂木をカットする
穂木のカットも二段階に分けて行います。

まずは、水平にカットします。

大きい株で説明するとこんな感じです。
結構真ん中から切っちゃって大丈夫です。
次にカットした穂木のふちを落としていきます。

切り口が平らだと水分が抜けてしぼんだ時に、穂木が台木から浮いてしまいます。
そのため、穂木のふちはぐるりとカットしておきましょう。
台木のふちをカットしておくのと同じ理由です。
3.5:穂木と台木をくっつける位置の確認
まず、事前に穂木と台木それぞれの維管束を確認しておきましょう。

よく見ると、白い丸い円があることがわかります。
これが穂木の維管束です。

これが台木の維管束です。
そしてここが一番のポイントです。
穂木の維管束と台木の維管束が重なり合うように密着させます。

赤丸は、穂木の維管束を置く場所(のイメージ)です。
こんな感じで、穂木の維管束と台木の維管束が重なり合うようにくっつけていきます。
両者の維管束がくっつけば栄養が行き来できるようになります。
このイメージをもって作業していきましょう。
4:穂木と台木をくっつける
最後に、穂木と台木をくっつけていきます。
この作業が一番楽しく、一番難しいです。
まず切り口の鮮度を保つために、もう一度台木の表面を薄くカットしておきます。
そして、上で説明したように穂木と台木を重ねていきます。
その後に両者がずれないように包帯で軽く圧迫しながら固定していきます。

包帯であれば、台木のとげに引っ掛けられるので簡単に固定できます。
竜神木でも袖ヶ浦でも簡単にできます。
一人でやるにはかなり便利です。
5:日陰で放置
上記の作業を終えたら、動かさないようにして、日陰で管理しましょう。
少なくとも10日は動かさず、水もやらないようにしましょう。
10日経過したら、包帯を外してみてくっついていれば成功です。


だいたい、成功しているかはぱっと見てわかります。
最後に
サボテンを育てられている方には、接ぎ木をそれほど好まれない方もいらっしゃいます。
確かに、自然界に存在する形や、サボテン本来の成長速度とは異なる成長をします。
しかし、私はそれこそがロマンだと考えています。

自然界に存在するものに対して、自らの手を加えて自分が望む形に成長させる。
目当ての品種の種を取るために早く花が咲くようにする。
放っておけば死んでしまうサボテンを復活させる。
好きな穂木と好きな台木を合体させる。
これこそが、接ぎ木の魅力であり、サボテン育成の醍醐味であると考えています。
ぜひ本記事を通じて一人でも多くの方にサボテンの魅力が伝われば幸いです。
ありがとうございました。


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